反乱

瞳のやや上に、焼きのりを2枚張り付けているように見える人がいる。このような人を“マユラー”と呼んでいる。世間一般では、少数民族の「大眉毛族」に分類される。いわゆる、マイノティーである。実際に見たことはないのだが、中国の山奥に居住する「多毛族」に数多くの“マユラー”が存在すると言われているが、しかし、彼らの場合、顔中に毛が生えていて、眉毛の判定が難しい。もしかしたら違うのかもしれない。ともかくも、珍しい民族であるから、でき得れば国家レベルでの保護も視野に入れて、老後の対・・・いや、今後の対策としてほしい。

そもそも、「大眉毛族」とは、眉毛の密集率が極端に高い人種を表す。そこで基準となるのは、3ミリ平方中に140本以上の発毛があり、更には、マユソン比で表わされる眉毛のタテ×ヨコの比率で分類される。一応タテ18ミリ以上30ミリ以下、ヨコ45ミリ以上となるが、ヨコが長すぎ左右の眉がつながってはいけない。 万が一つながっていれば、それは、「一本眉族」なのだ。 テトラポットの間で発見された“若人あきら”氏が典型的な「一本眉族」である。 密集率とマユソン比がともに満たされてこそ「大眉毛族」を名乗れるが、多くを見かけることは難しい。現存する彼らのルーツを探ってみることにしよう。

彼等は、どこからやってきたのか?私見を話すことにしよう。

「大眉毛族」は、何を隠そう混血児なのだ。南方からやってきた「熊襲」と、北方から現れた、「白露族」が東北地方で出会った。最初のうちは、お互い遠慮があって、酒などを交換する程度であったが、そのうち酒を酌み交わすほどにもなったとき、間違いが起こった。その結果、290日後には混血児、つまり、ハーフが誕生したのだ。

ちなみに、この私も、九州男児と浪速女とのハーフである。それはともかく、比較的眉毛の濃い民族同士であったから、混血の繰り返しにより「大眉毛族」遺伝子として確立したのである。一時は繁栄したが、ただ眉毛が太いということで多民族から“イジメ”をうけ衰退していった。しかし、一部が東北山間部にかくれ、猿や雉たちと一緒に生活していた。そんな自然の中で、優秀な人物が多数生まれて一族の人口も増加していった。そして世に出る機会をうかがっている。

もしも、「大眉毛族」が、このうえ増加すれば、本来優秀な民族である彼らが支配する世の中が出来上がってしまう。通常眉毛の私たちは単に眉毛が薄いと言うだけで逮捕されてしまうに違いない。したがって、外出時には「プロピア」あるいは「アートネイチャー」等で制作された“付け眉毛”を装着せねば公の場所への立ち入りは不可能となる。但し、緊急の場合のみ、焼きのりで代用してもよいが、くれぐれも、天候には注意してほしい。雨にあったらとれてしまうからである。

そんなことで、彼らの保護は慎重であるほうが良い。ある意味、チベット問題よりもデリケートでもある。 



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