一流開発部隊=エンジニアへの道

第7回 一流開発部隊の育て方

 

いよいよ、実践編に入ります。

ここにあるのは、私が前職で開発した「家庭用パン発酵器」です。

日本の市場占有率は6割を超え、海外での評価も徐々に上がりつつあり、今や、利益を生み出す「金の卵」となっています。

 そもそも、家庭用パン発酵器は、パン教室の生徒さんを中心に需要があり、パン教室ごとに推薦する機種があって非常に、硬くシェアが保たれていた市場だったのです。開発部隊に託された課題はこの市場に風穴を開ける事だったのです。

 現状の調査から入りました。つまり、家庭でパンを焼く方(お客様)のお困りごと、つまりニーズを見つけ、それに回答を出すことでコンセプトを固めていきます。

①容易に組立て分解が出来ること

週に1~2回の使用頻度では、キッチンに置いておけないこと、主婦が主に使用することを前提にすると,工具は使わないこと。きわめて簡単なこと

②軽いこと

お客様の大多数が、女性であることからできる限り軽くすること

③目標コストを守ること

またプロ用の発酵器もホイロは、50万円程度で家庭用としては冷却機能と湿度コントロールのない3万円~5万円が主流のため、この価格帯で1番を目指すこと

④温度が均一であること

既存の発酵器は庫内温度が不均一であるため上段と下段の入れ替えをあるタイミングで実施しなければならない、これが入学したばかりの生徒さんには意外と困難な課題であった。

 

次にシーズ(成功の種)を見つけることです。

見つけ方、その1

すべて実現したときの総生産量を仮に決める。つまり目標市場占有率いわゆるシェアを決める。開発コストが仮に決まる、従って金型、治具などの初期投資額が決まる。つまり作る方法が仮に制限される。このプロジェクトではトータル3万台を設定し、1000円/1台の初期投資、(金型、治具等)3000万円・・・これを頭の片隅に入れておく。

見つけ方、その2

ブレインストーミングはあえて、これを行わない、通常、人は保守的であるから、斬新なアイデアほどつぶされる傾向にある。ではどうするかと言えば、このプロジェクトリーダーになる、意欲のある人が、1人ブレインストーミングをやり、つぶされないレベルまで、質を高めた、提案をさせて、コンペで基本方針とリーダーを決定する。その後この方針に沿って、ブレインストーミングを実施する。

まだまだつづきますが、核心は、次回次々回になります。乞うご期待ください。



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