下請けから脱却するための一流開発部隊への道

第3回 思いつきとひらめきの違い

 本日は“ひらめき”についてお話しいたします。

“ひらめき”と言えば、思い浮かぶのは、あのノーベル物理学賞を受賞された益川敏英博士ですね!

CP対称性の破れをうまく説明したことでノーベル賞をいただいた人です。

この宇宙がなぜ存在しているのか?

私たちがなぜ存在しているのか?

その理由を量子力学の視点で解明したのが、小林・益川論文だったのです。

当時4つのクオークの存在が認められ始めていたのですが、2人はこれを突き詰めていって、CP対称性の破れが起きないこと、つまり私たちが存在しないことを証明してしまったのです。益川さんは57時間もの間寝ずに研究に没頭してしまったこともあったそうです。

そうした中で“ひらめいた”のです。

クオークを6つにしてしまえばよいのではないか!

 

その後、予言した2つのクオークが発見されノーベル賞となったのです。

“思いつき”とか“ひらめき”は誰にでもあります。私は“思いつき”と“ひらめき”を少々区別して使っております。“思いつき”は、たとえば、今日の昼はカレーにしようかな!と思いつき、数あるカレー店の中から、最高においしかったカレー店のカレーの匂いを思い出したとき、これが、“ひらめき”だと思います。

ひらめきとは、ばらばらの、脳内に収納された、様々な知識が、1つの線で結ばれランプが点灯するかのように見えたときではないでしょうか。

 “ひらめき”は商品開発において、決定的に重要なことです。“ひらめき”の無い商品開発は結果として、スティーブジョブズの言う「ガラクタ」を作ってしまい、会社が傾いていくだけです。

 ただ、ひらめくだけなら、誰でも出来ます。商品開発で重要なことは、まだ、誰も出来なかったことを実現するためのヒント(ひらめき)でなければならないのです。

 では開発者がそのような“ひらめき”を身につけるには、どうしたらよいのでしょうか?

開発者に求められる資質の第一は旺盛な好奇心です。雑多な知識でよいので、出来るだけ多く脳内に収納することです。

 

具体的におすすめしていることは、各種展示会(機械要素技術展、おもちゃ展、農業技術展等々)に出向き。全ブースをくまなく見ることです、自分の抱えている問題を解決するヒントがあったりするのです。一人ブレーンストーミングですね!好奇心がないととても出来ることではありません、経営者の方は第一に旺盛な好奇心があるかどうか、知識が十分に蓄積されているかを見て人選するとよい結果が得られると思います。何しろ一流の開発部隊に育てられるか否かによって、会社の浮沈が決まるのですから、次回は育て方についてお話しいたします。乞うご期待!



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