2008年6月26日

テントウムシ

今でも多いのだろうか?あの「テントウムシのサンバ」で無理やりキスさせる、結婚披露宴は、昔はそれ一色だった。大方が、新婦側の友人一同が歌う訳だ。歌の性質上男子が歌っているのを見たことが無い。

そのかわいらしい「テントウムシ」が、今や、ハウス栽培農家にとって、とても大切な虫になっている。それと言うのも、有機栽培にとって、一番大変なのは植物に大敵の「アブラムシ」や「ハダニ」が大量発生するからだ。薬品による駆除はできない。

そこで、考え出されたのが「アブラムシ」や「ハダニ」を食料とする「テントウムシ」をハウス内に放し、大成功をおさめた。食料が豊富だから繁殖も盛んで、他の農家に分けたりしている。ハウス内に放つのは、「ナナツホシテントウ」で、勿論、最初は自然の中から採取してきた。幼虫、成虫とも強い物理的刺激を受けると「死んだふり」をするから、すぐに捕まえることが出来るが、その際、関節部から黄色い液体を分泌する。強い異臭と苦みがあるので注意してほしい。

そして今では、多くの農家で実施している。今のところ数例では有るが「テントウムシ」の弊害も報告されている。それをよく観察して見ると、共通しているのは、「アブラムシ」、「ハダニ」の発生が異常に多い所に限定されているのだ。

その弊害と言うのは、普通、「ナナホシテントウ」は、1cm程度の大きさなのだが、餌の食べ放題で、巨大化し10cmにもなってしまったのだ。もともと、甲冑虫と言われる仲間なので硬い。それがハウス内を飛び回るから、危なくてしかたない。当たればただのけがでは済まない。だから、農作業をする人は、剣道の面と胴衣を欠かせないと言う。

あまり売れるものではないので、一部の地域では品不足に陥り、高騰しているらしい。そこで調べてみると「テントウムシ」の瞳が、瞼の肥大化により垂れ下り、半眼状態になり前方が見にくい、と言ったところらしい。

そんな状態で飛び回れば、どうしても作業者に強くぶつかってしまうのは、当たり前の話である。農水省も苦慮しているらしい。ところで、「テントウムシ」の和名は、太陽に向かって飛んでゆくことから、太陽神の天道からとられたのである。



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