2008年7月10日

手と毛

よく行く駅前の薬局はいつも混んでいる。御主人の人柄と奥さんの笑顔が店を盛り上げている。用もないのに暇さえあれば足を運ぶ。御主人、頭がツルツルなのだが、手の甲や指にまで毛がボウボウなのだ。

何故そうなってしまったのか、私にはすぐに推測された 。多分涙ぐましい努力の結果に違いない。それは、増毛したいために各種の「育毛剤」を試したのだろう。薬局と言う立場上何とか成功させ、利益率の高い「育毛剤」を多く売り、店を建て替えたいからだったのか?「育毛剤」の効果を高めるためには、頭部に振りかけたあと、揉み込まなければならない。このとき、手の甲や指にも「育毛剤」が絡みつき、効果が発揮され、ボウボウに生えるのだ。

だから、「育毛剤」はとても効いていると言わざる得ない。但し頭部にまでは効果が及ばなかった、それだけの話である。但し、御本人に聞いたわけではないので、あくまでも真実に迫りたい人は、本人に確かめてほしい。そして、御主人の偉いところは、「育毛剤」を置いてはいるが、積極的に進めることはしないことだ。

これは、先物取引や、海老の養殖事業で人をだます商法に、(こう言った人は決して自分はやらないものだ)走らなかったことにある。もし彼が、その気なら今はやりの「カツラ」を貼り付け「ほらこんなに効いたんですよ !」とやれば、大儲けは目前だったのである。「リーブ21」をも凌駕したのではないか。従って店は古~いままだ。

そを言った事を、偉そうに語っている私に、木下君は実に冷たく言う「やらなくて良いんですか、エッ」「何をですか?」「やだな~、禿げちゃいそうじゃないですか、リーブ21か、プロピアですよ」・・・いつも思うのだが、木下君に望むのはもう少し、歯に衣を着せるか、あるいは、リスペクトしてくれても何の差支えもない。



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