花火

江の島の花火大会が、8月5日午後7時30分から始まる。毎年ビルの屋上から見物、モチロンビール片手にである。昔は、「たまや~」とか「かぎや~」などと大きな掛け声が飛んで、相当盛んだった。今は、掛け声をかける人はいない。暗闇にまぎれて、いかがわしい事をするのは、木下君ぐらいのものだろうから、かなり、平和と言わざる得ない。その木下君、女性もものすごく好きだが、花火も大好きで、彼に聞けばいつどこで、何発打ち上げるかがわかってしまう。その正確な情報に従って都合をつけ、出かけていって楽しむのだ。

木下君は趣味と言うか「オタク」と言うか、いろんなものに興味を示す。なかでも、鉄道に関しては、TVの取材を受けるほどだし、ダイビングでは、もう教えるほうで、私にも「どうですか一緒にやりませんか」と勧めたりもする。船舶免許は1級を持ってているし 

 (私も過去には持っていたが、ヨットをやめた時に失効した)、模型飛行機(ラジコン)はプロ級、模型ヘリコプターはその操縦コンテストで3位に食い込むなど、その方面では一流らしい。ことほど左様に、各方面に能力を発揮するのである。

「いやいや、この私、そんなに褒められちゃあ、照れちゃうなあ、だからかどうか、性生活も充実しています。子供も4人いますし」と聞いてもいない事まで答えるので、実に不愉快でもある。

それにしても、彼の趣味は、趣味を通り越していて、どの道を行っても食べていけるのが悔しい。このうえ、仕事さえこなしてくれれば何の文句もないが、これだけ趣味を持っているとやはり仕事まで手が回らないのカナ?と聞いたら、

「アッハッハー、ま、確かに趣味は多いですが、仕事にも実力を発揮してますゼ」と生意気を言った。

あまりに憎いので、新潟でしかできない40号(4尺玉、直径120センチ)に木下君をくくり付け打ち上げてしまいたい。

ちなみに、江ノ島花火大会では20号(2尺玉、直径60センチ)が最大でこれでは彼は打ち上げられない。



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