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雲
江戸の粋筋では、「雲」と言えば「ウンコ」のことで、「空雲」と言えば「オナラ」を指す。何故かそを言う。
ある日、車で出張の帰り道、言っちゃあ何だが、この私恥ずかしながら、突然お腹が痛くなった。つまり、「ウンコ」をしたくなったのです。そこで同行者の木下君にたのんで、「どこかトイレに寄ってください 」と、心からお願いした。
木下君は別に意地が悪いわけでもないし、人柄も申し分ない。惜しむらくは、自分以外には気を使わないタイプなのだ。例えば、私が一枚の映画無料チケットを持っていたとしよう、そこで、木下君に「映画に行こうか?」と誘えば、チケットを「パッ」と取り上げ「あの~私の分はあるんだけれど、後どうします?」と言う、そう言う奴だ。
まあそれはともかく、すぐにでも出てしまう危険に迫られて、「イライラ」している私が隣にいるのに、やれ、「ここは暗くてヤバい」だのなんだの言っては、あっちだこっちだと、走り回っている。必要以上に我慢強い私だから、コーモンの0.8センチ手前で止めることが出来る。所謂、「寸止め」と言われている、達人技を出しているから、まだ大事に至らないのである。
ただし、こんな状態のときは、どんなに面白いことがあっても、決して笑ってはならない。でないと、出ちゃうからだ。ここで、「いち」「にい」「サァ~ン!」なんて馬鹿になられたらもうお終いである。そう言った訳で、物凄く厳めしい顔のまま、頑張っていると、木下君の運転する車はめでたく、トイレにつく。
当たり前だが、ベルトは外し、チャックも半開き(全部下ろすと転んでしまう)で、駆け込む。安心感とともに「ダップン」を終了。おもむろに、出ると、両隣も入っている。「シマッタ」不愉快音を聞かれてしまったのだ。「可哀想な私」などと、甘い感傷におぼれている訳にはいかない、いち早く、この場を立ち去るべきである。
この際だから、手なんか洗っている暇はない。でも、流石に手に不潔感が漂い、やな感じがしたので、待つている木下君のスーツでゴシゴシふいた。「アッ、きったね~」というが、こう言った、美しくない日本語を使う人は無視しても良い。いわゆる、「しかと」である。
今後は、充分注意せねばなるまい。これが人気タレントの行為だったら確実に人気は落ちてしまうのだろう。そうじゃなくって、良かった、良かった。(お食事時に読んでしまった方には・・・ごめんなさい)
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