2008年4月29日

三宅島

先日、航空便が再開された。9年前の噴火で全島避難を余儀なくされた三宅島のことである。30年ほど前、この島に「尾長」や「カンパチ」を求めて、毎週のように通い詰めていたことを思い出す。「沖山」と言う釣り宿に厄介になっていた。そこを足場に、「鯛房」や「湯ノ浜」の磯に乗り、そのころ開発された“オキアミ”の効果で、数多くの釣果をものにしていた。今は昔である。

この島は、別名「バードアイランド」といわれる鳥の楽園であった、蛇のいないことが大きな理由でもある。300種類もの鳥の頂点に君臨していたのは、「黒頭ワシ」と呼ばれる鳥で、頭頂部に黒い帽子をかぶった様に見えるところから、の命名で、アメリカの国鳥「白頭ワシ」と対極を為すものと考えれば良い。噴火による絶滅が心配されているが。ただ心無い一部の島民は、この際だから「是非、絶滅してほしい!」といった声もある。

それというのも、この「黒頭ワシ」何しろデカイ、翼を広げると、成鳥で 30メートルを超え世界一なのである。主食は、豊富にとれる魚で、それはそれは長ーい嘴を利用して海中から捕食する。上空から狙い定めて海中につっ込み 魚を捕るのだ。1日の食料は30キロとも40キロとも言われている。骨ごと食べているので、その排泄物いや・・・・・お食事中の方にはまことに失礼ながらお許しを願って・・・・・つまり「ウンコ」なのだが、上空から所かまわず落下させる。この「ウンコ」は、いわゆる、巻きぐそタイプで、そのままの形で落ちてくる。1年に数十人の単位で被害者が出るが、観光で訪れた人に集中している。島民の被害は、車を運転している時に多い。体がデカイから落とす「ウンコ」も、トーゼン、デカくフロントガラスに落とされると、急に目の前が真っ暗になり、電柱に衝突したり、落ちてきた目前の「ウンコ」を避けきれず、車が横倒しになってしまう事故が年数回見られるという。

また、停車中に車の屋根に落とされ、へこんだり、ボンネット上のものは出来るだけ早く処理しないと、すぐに固まる。前が見えず運転できない。「黒頭ワシ」の「ウンコ」がすぐ固まるのは、東名大学名誉教授「茶水博士」によれば、「あー長年の観察と研究の結果、魚の骨に含まれる高カルシウムと海水中のテトロアミル銀酸が化学反応を起こすからかもしれない・・・」と語っつているが信用はできない。そう言った訳で、島にある車のほとんどは、屋根がへこんでいるか、あるいは、固形化した「ウンコ」を積んだままにしている。三宅島を訪れた人ならだれでも知っている事実なのだ。

ところで、何故、島民が歩いていて被害にあわないのかと言えば、彼等は上空を注意して歩く習慣が遺伝子に組み込まれていて、子供から老人までそうしいる。だから「黒頭ワシ」が近ずくと、彼等はワシのコウモン付近を注視し「クニュクニュ」させると、一斉に逃げる。この、「クニュクニュ」が「ウンコ」の前触れなのである。

嘘っぽい話ではある、私がどれほど熱く語ろうが誰も信じてくれない。それほど信用されていないのだ「茶水博士」といい勝負なんだろう。



▲ページトップに戻る