2008年6月21日

味覚

世の中、さまざまな食べ物がある。そして食べ方もある。

例えば、「さしみ」などは、濃いめの醤油に「ワサビ」を溶いて食べるのが、ごく一般的で、ちょいと「通」になると、「さしみ」に少し乗せ、醤油をそっとつけ食べる。流石に、「さしみ」あるいは「ワサビ」を別々に食べている人はいないので、おおよそ、この二通りと思ってよいようだ。そして、どちらでも良い訳だ。それはさておき、今日は、「柿ピー」の食べ方について、述べていきたい。

通常、「柿ピー」とは、柿の種とピーナッツが混合されたものをいう。メーカーによって、製法や混合比率が違う。おおむね、3:1である。ここで、1番美味しいと言われている「柿ピー」を紹介して見よう。

米は越後の「こがねもち」100%、これをふっくら蒸かしたものを杵でつき、冷やしてから切り、熟成及び乾燥、手焼きで、丁重に回し焼く。さらには地元長岡の山崎醤油を絡めれば、これが究極の柿の種。千葉県産の半立ピーナッツという国産高級ブランドにバターをからめたものが一番とされている。この二つを混ぜれば、天下一の「柿ピー」が出来上がる。

ところで、半立ピーナッツとは一株が大きく、広がってから立ち上がる特性がある。その姿から命名された。木下君に言わせれば「半立」がいやらしいと言うが無視していこう。一般的に、昆合比やピーナッツにバターあるいは塩、何もつけないタイプがあり、メーカーによって違うので、それぞれ好みの商品を求めれば良い。

メーカー品はどれもバランスがとれており、努力の跡が見られる。そんなところから、トーゼン「柿ピー」の正しい食べ方というのも生まれてくる。まず、袋詰めになった「柿ピー」の柿の種とピーナッツの量に注目、両者の割合通りに食べて終わればそれがベストである。

ある日、木下君と「柿ピー」を食べる機会があった。このときは、柿の種が大粒タイプで比率2:1になっつていた。重さの比率なので実際に食べるときは柿の種3個に対して、ピーナッツ1個がおいしい。その割合で食べていると、木下君はアットランダムに、つまり、セオリーをまったく無視して、「バタピー」ばかり食べたり、柿の種ばかりだったりしている。見ていて実に不愉快である。

高齢者はセオリーに厳しい。だから、“木下君やっぱり3:1で食べたほうがおいしいよ”と口に出す。“エーッ そんなの自由ジャン、「柿ピー」の食べ方まで注意されたんじゃあたまんないなー”とふくれる。まァ、ほんとに自由なのである。だが、私の心は実に狭い、その狭さは満員電車内の人との隙間程度、無いと言ったほうが正しい。従って、バタピーばかり食べて、柿の種が残ってしまうのが許せないのだ。いずれ私が、4:1とか5:1で食べなければならず、バランスが悪くおいしくもない。だから、木下君には厳重に注意するのだ。



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