2008年7月26日

気象

近頃は大分難しくなったようだ。気象予報士の試験である。TVでは天気予報がかかせない。多かれ少なかれ、天気に左右される仕事がある。

現在の予報は、昔に比べ的中率が高くなっている。富士山の気象レーダーはもう活躍していないが、衛星による観測が功を奏しているのだろう。

それはともかく、理由は定かではないが、運動会には雨が降る。この季節の天気は、昔から男心と同じで変わりやすいのだろう。ところで、江戸時代にも「空見師」と言う職業があった。花見などを町内や、大きな商人、武士が行うとき主催者は「空見師」にお願いして実効日の天気を見てもらうことになる。

「空見師」は大方20日から30日後の天気を当てる訳だが、近代的なものの全く無いころ、元になるものは、統計でしかない。過去5年間以上の天気状況から特異日(東京オリンピック開会式の十月十日に決定した)を見つけ判断を下す訳だから、詳細なデータが必要になってくる。

それがこの職業のすべてで、いかに詳しい資料を持っているかにかかってくる。当然、天気を見てもらうには、お金がかかる。一回の見料は二分(一両の半分)で、いい腕の大工が一カ月に稼ぐ額が二両から三両であったから、相当高いものだったのだろう。

しかし、江戸時代も後半になって来ると天気は、意外に安定していて、「空見師」のあたる確率はよく、商売になっていたようである。当たらなかったら誰も頼まなくなってしまうからだ。それにしても、天気のことだから、外れても当時はそれほど責められはしなかったようだ。

今でも、天気予報には当たり外れがあることを、多くの人が心得ているから、外れたからと言って「人でなし、あるいはバ~カ」とは言われない、割と良い商売である。

木下君は、それを聞いて、「僕たちは、仕事で間違うことはできません、機械は壊れてしまいますから」「そうですね、厳しいところがありますね」「じゃあ、給料上げてください」「それはできません」「なんで~」



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